原状回復工事では、クロス職人さんや内装職人さんと業務委託(請負)で仕事をするケースが多くあります。

一方で最近は、

  • 「人工代って違法じゃないの?」
  • 「それ、偽装請負と言われませんか?」

と不安に思われる元請けさん・職人さんも増えてきました。

特に、

  • 車移動中の事故
  • 労基法・残業代
  • 使用者責任

こうしたリスクを考えると、安易な雇用は取りづらいのが実情です。

そこで今回は、私たちが原状回復の現場で
「偽装請負と言われないために、実際に気をつけていること」を、実務ベースで5つご紹介します。

※本記事は法律論を断定するものではなく、あくまで現場実務の考え方です。


そもそも「偽装請負」とは?

名前が請負・業務委託でも、
実態が雇用と同じと判断されると、
労基法上「偽装請負」とされる可能性があります。

ポイントはとてもシンプルで、

時間や働き方を、どれだけ元請けがコントロールしているか

です。


元請が気をつけている5つのこと

①「時間」ではなく「成果物」で依頼する

私たちは、

  • 何時から何時まで作業
  • 1日◯人工

といった時間ベースの依頼は極力しません。

代わりに、

  • 壁クロス20㎡まで貼替
  • 剥がし・軽微な下地補修含む

といった成果物ベースで依頼します。

作業時間や段取りは、基本的に職人さんの裁量です。


② 作業手順を細かく指示しない

「ここをこう貼って、次はこうして…」

といった細かい作業指示は行いません。

私たちが伝えるのは、

  • 仕上がり基準(原状回復レベル)
  • 使用する材料の指定

まで。

どうやって仕上げるかは、職人さんにお任せしています。


③ 人件費は「一式」、材料と廃材は元請管理

当社では、

  • 人件費:◯㎡まで一式
  • 材料:元請支給
  • 廃材処分:元請対応

という形を取っています。

これにより、

  • 人工が1日か2日か
  • 廃材費はいくらか

といった揉めやすい論点を減らしています。

成果物に対する対価、という整理がしやすいのも理由です。


④ 追加作業は「事前協議」がルール

下地が想定以上に悪い場合など、
当初の範囲を超える作業が必要になることもあります。

その場合は、

  • 作業前に写真共有
  • 内容と金額を協議
  • 合意後に対応

というルールを徹底しています。

元請の一方的な指示で作業を増やさないことも、
請負関係では大切だと考えています。


⑤ 業務委託契約と請求書精算

口約束ではなく、

  • 業務委託契約書を交わす
  • 月次・案件ごとの請求書精算

を基本としています。

これにより、

  • 雇用ではないこと
  • 対等な事業者同士であること

を、お互いに確認できる形にしています。


なぜ、ここまで気をつけるのか

理由はシンプルです。

  • 職人さんを守るため
  • 元請け自身のリスクを減らすため
  • 長く安定して仕事を続けるため

特に、車移動中の事故などは、
雇用かどうかで責任の重さが大きく変わります。

だからこそ、
「なんとなく業務委託」ではなく、
実態も業務委託らしくすることを意識しています。


まとめ

原状回復工事で、
業務委託=危ない、ということではありません。

大切なのは、

  • 成果物で依頼しているか
  • 指揮命令が強すぎないか
  • 事業者同士として向き合っているか

という点だと思います。

当社では、法令を意識しつつ、
現場が無理なく回る形を大切にしています。