会社の役員の住所が変わったとき、皆さまは登記手続きをどうしていますか?
意外と「住所変更の登記」を忘れたままになっている会社も少なくありません。

今回は、役員の住所変更が必要になるケースと、注意したいポイントをまとめました。


■ 役員住所変更登記とは?

会社の登記事項には、役員の氏名だけでなく 住所 も含まれます。
そのため、役員が引っ越した場合は登記内容も更新する必要があります。

登記を更新しないままだと、

  • 官公庁や銀行の書類と登記情報が一致しない
  • 過料の対象になる場合がある
    など、思わぬトラブルに繋がることがあります。

■ 住所変更登記が必要なさまざまなケース

住所変更登記が必要となる主なケースは、「不動産登記」と「商業・法人登記」の2つの場面で異なります。 

1. 不動産登記(土地や建物の所有者)

引っ越しなどでご自身の住所が変わった場合が主なケースです。現在のところ、法律上の義務ではありませんが、将来の手続きのために必要となります。 

  • 引っ越しをした: 住民票を異動させて新しい住所に生活の本拠を移した時。
  • 住居表示の変更: 市町村合併や区画整理などで、行政側が住所の呼び名を変更した時(この場合、法務局が職権で変更してくれることもあります)。
  • 相続や売買の前: 不動産を売却する時や、相続した不動産の名義を変更する「相続登記」をする前に、所有者の住所を現在のものに一致させる必要があります。 

【重要】2026年4月1日から義務化
不動産については、2026年4月1日から住所変更登記が義務化されます。住所変更から2年以内に手続きをしない場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

目的:所有者の所在を明確にすることで、所有者不明土地問題の解消 

2. 商業・法人登記(会社役員など)⇦今回のケース

株式会社の代表取締役(または合同会社の代表社員など)は、住所が登記事項とされているため、引っ越しをしたら必ず変更登記が必要です。 

  • 代表取締役の引っ越し: 代表取締役が転居し、生活の本拠(住所)が変わった場合。
  • 代表社員の引っ越し: 合同会社などの代表社員が転居した場合。

【重要】2週間以内の義務
商業登記の場合、住所変更から2週間以内に登記申請をしなければなりません。正当な理由なく怠ると「登記懈怠」とみなされ、代表者個人に100万円以下の過料が科される可能性があります。 


■ 住所変更登記<法人登記>を忘れるとどうなる?

  • 法務局から過料が科される場合がある
  • 銀行口座や契約書の記載内容が古いままになりトラブルが発生
  • 取引先への書類提出で不一致が生じる

など、会社経営に影響することがあります。

私も何度か住所変更をしましたが、マイナンバーカードの登録や運転免許証の変更等重要な住所変更と一緒に役員住所変更登記を忘れないように注意しています。